
深川の小料理屋に勤める長屋住まいのなみ。両親を亡くしてから親代わりとなり面倒をみてきた弟の友吉が、嫁になる相手を連れて挨拶にやってきた。幸せな気持ちで出迎えたものの、高価そうな身なりの二人を見て心が乱れ…表題作をはじめ、「チャンネル銀河」の人気番組『松平定知の藤沢周平をよむ』が選んだ、庶民の哀歓を描く10編。物語の舞台を巡る散策マップ付。
藤沢周平 ふじさわ・しゅうへい
1927年山形県鶴岡市生まれ。山形師範学校卒業。業界紙勤務を経て71年「溟い海」でオール讀物新人賞を受賞し、本格的な作家生活に入る。73年「暗殺の年輪」で第69回直木賞、86年『白き瓶』で吉川英治文学賞を受賞する。著書に『蝉しぐれ』『用心棒日月抄』『隠し剣秋風抄』『橋ものがたり』『三屋清左衛門残日録』などがある。1997年死去。